色枕
〈しっかりと肉の詰まった双つの丸みの谷間の奥に、ちんまりとした菊座がある。そこにはにこ毛に囲まれたはざまがあり、挿しこまれたまがまがしい張り形が見えている。
歌麿は腕組みをといた。
両の手をさしのべ、尻の双つの丸みを撫でた。
「ああ!」
くぐもったお駒の声。
両の手を奥に入れ、それぞれの手のひらを外に向けて、腿の内をかるくつかんだ。
「ひぇ~ッ!」
お駒が首を絞められたように叫んだ――。
「ああ……うう……」
まるで拷問をうけているような苦しげな声である〉
江戸は明和、安永の頃。浮世絵師、北川(喜多川)歌麿を主人公にした書き下ろし官能時代小説。
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